地区予選祝勝会
私は今、目の前にあるモノに驚いている。
「タカさんちってお寿司屋さんなんだ・・・!!」
「入るぞ」
ガラッと戸を開けると、みんなくつろいで待っていた。さすがにリョーマはまだのようだ。
「おっ、やっと来たにゃー!」
「野暮用ってなんだったの?」
「ヒミツ」
英二テンション高いなぁ・・・お茶で酔ってるの?
騒がしいのを避けてカウンターに行こうとしたとき、戸が開いた。
「・・・・・」
「・・・・・」
が、閉められる。
「リョーマっ!」
「ぐえっ」
リョーマの首根っこを掴んで中に入れる。
メンバーもそろい、地区予選優勝の祝勝会開始だ。
今度こそカウンターへ。ふと、国光を見ると、タカさんにお父さんに・・・。
「どうです先生、一杯!」
「・・・部長の手塚です」
・・・笑っちゃいけない・・・!!笑っちゃいけないんだろうけど・・・!!
なんか弦一郎がかぶるなぁ。アイツも中学生に見えない。景吾も、ある意味中学生に見えにくい。
「、さっき残ったの、もしかして橘の所に行ったんじゃないか?」
「おぉ、よくわかったね」
貞治、勘がいい・・・って大体わかるか。お、サーモン美味しい。
「橘が何者なのか・・・知ってるんじゃないか?」
「教えて欲しいの?データマンが」
「これも情報収集だからね」
「・・・教えなーい」
あーん、とサーモンを口にする。あー、幸せ。ちら、と見れば、貞治がうなだれていた。なにいじけてるの。
「ひとつだけ、教えてあげようか」
「何だ!?」
復活早ッ!
「彼は全国区だよ」
「・・・なるほど・・・!いいデータがとれた!ありがとう!」
ぽん、と頭を撫でられる。私は小動物か?小動物っていう背じゃ・・・貞治から見れば小動物か・・・。
国光と秀一郎は学校へ寄るからと先に帰って行った。みんなお寿司に夢中できいていないみたいだったけど。
「もう無理!でもこんな美味しいお寿司初めて食べた!」
「そうかい?嬉しい事言ってくれるね〜」
「アメリカにもお寿司あるけど、刺身はあんまりないの」
「アメリカでは生魚を食べる習慣がないからな」
文化が違うのにお寿司をアメリカで出したの不思議・・・。
「せんぱーい、越前寝ちまったんっスけどー」
「えー?しょうがないなぁ。おねーさまのちゅーで起こしてあげよう」
「「えぇ!?」」
そんなに驚かなくても。姉弟なんだからいいでしょ!と問答無用でリョーマの頬にキスをする。あら、眼帯に色々書かれちゃって・・・。
「文化の違いって・・・おそろしい・・・」
誰が呟いたのかわからないけど、放置した。
リョーマが起きたので帰る事にした。
「ごちそうさまでした!」
「また来てくれよ!なんなら嫁いできてくれてもいいぜ!」
「何言ってんだよ親父!!」
「あはは・・・」
乾いた笑いしか出ません。
「楽しかった?リョーマ」
「ん、まぁまぁね」
「・・・ごめんね」
「何言ってんの。今更でしょ」
そうだけど、まったく、生意気なんだから。
「このっ!」
「うわっ、ちょっ、やめろよ!」
頭を思いきりわしゃわしゃするとむくれちゃった。
そしてリョーマは、帰って落書き眼帯を父さんに大笑いされるのだった。
「おめでと、リョーマ」
「・・・ん」
次は、都大会!
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