居眠り常習犯を捜し出せ!
「あれ?ジロちゃんは?」
姿の見えないジロちゃんを探してキョロキョロ辺りを見渡すが、やはりテニスコートにはいない。
「あー・・・またどっかで寝てんだろうな」
「寝てる?」
「あいつ、いっつも寝てんだ。1日で起きてる時間がどれだけ少ないんだよってくらい」
亮とがっくん、それからジロちゃんは、幼稚舎から一緒らしい。
「、探しに行け」
「探しには行くけど・・・命令しないでよね・・・」
文句を言いつつ、私はジロちゃん探しに出かけた。
テニスコート近くの木陰、観覧席、屋上。昼寝ができそうな場所は探してみたが、見つからない。
「どこにいるのジロちゃん・・・」
はぁ、とため息がもれる。他にどこを探せばいいのだろう。
「て、へ?」
よそ見をしながら歩いていたら、何かに引っかかって転んでしまった。
「いてて・・・あれ、ジロちゃん?」
引っかかったもの、それはジロちゃんの足だった。引っかかられたジロちゃんは、そんなこと気が付きもせず眠り続けている。
「ジロちゃーん、ジロちゃん起きてー」
揺さぶってみるが、起きる気配はない。
「ジロちゃーん」
「んんん〜〜〜」
「ジロちゃ、うわっ」
耳元で言った途端、思い切り抱き寄せられた。抜け出そうともがくが、身体が小さめなうえに睡眠状態のわりに力が強くて抜け出せない。本当に寝ているのだろうか。
「実は起きてるんじゃないの?ジロちゃん」
「んんー・・・」
起きて、ない。
熟睡している。今の私はジロちゃんの抱き枕状態だ。
「ジロちゃん起きてー」
「・・・・・」
起きる気配、無し。
「仕方ないなぁ・・・」
このテはあまり使いたくないのだが。私はジロちゃんの腕の中でどうにか体制を整え、顔を並べた。そして。
「!!?」
私の唇がジロちゃんの頬に触れた直後、ジロちゃんは私から手を離して飛び起きた。私は未だ転がったまま。
「おはよう、ジロちゃん」
「・・・おは、よう」
ジロちゃんは頬を押さえたまま、目をぱちくりさせている。
「景吾にどやされるから、練習行こ?」
ジロちゃんがこくりと頷くのを確認して立ち上がる。私たちはアップがてらコートまでランニングして行った。
(・・・びっくりしたCー。でも、の唇、柔らかかったなー)
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お題配布元
雨色デイズ
氷帝学園生活で5のお題 3
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