テニス禁止令
「え・・・テニス、禁止・・・?」
突然言い渡された言葉に、真っ白になった。
「Tennis prohibition why!?」 (なんでテニス禁止なの!?)
は、と気付いた私は、それを言い渡した景吾に詰め寄った。
「これを見てまだ言えるか?」
「何・・・げ」
景吾がぴら、と出したそれは、この間出された漢字テストの答案用紙だった。
「50点中14点とは・・・どうやったらこんな点数が取れるんだかなぁ・・・」
「う・・・」
なぜ景吾がそれを持っているのか、と言いたいところだが、言ったところでテストの点が上がるわけではない。とりあえず、景吾の次の言葉を待つ。
「間違えた漢字を50回ずつ書くまで、お前はテニス禁止だ!」
「はあぁぁぁぁぁ!!?」
さすがにこれは納得できない。なぜ景吾にそんなことを言われなければならないのか。何事かとこちらを見てくる視線も気にせず景吾に突っかかる。
「冗談じゃない!50回って何!?36カケル50って1800じゃん!!1800文字も書けっての!?」
「
書け」
「〜〜〜〜〜ッ!!」
問答無用で言われて言葉が出ない。そりゃ、悪いのは私だ。でも・・・でも・・・!!
「納得できない!いくら景吾が部長だからって、なんでそんなこと言われなきゃいけな・・・」
言葉は、続かなかった。
ぴら、と出された紙は、私のではない答案用紙。それを見て私は、固まってしまった。
○で埋め尽くされたその一番上には、『跡部景吾』と書かれている。嫌味なくらい、綺麗な字で。
「文句はあるか?」
「・・・ありません・・・!!」
こうして私は1800文字書き続けた3日間、テニスに触れることを許されなかった。
「・・・ちなみにがっくんは何点だったの?」
「俺?27点!」
(がっくんでさえ半分以上・・・!!)
いろいろショックでした。
そして、氷帝学園中等部テニス部では、度々このような光景が繰り広げられたとか。それはまた、別の話。
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お題配布元
はちみつトースト
テニプリ 01〜30
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