燃えろ!球技大会!
7月。立海の7月の行事と言えば、期末考査に林間学校・・・の前に、球技大会。種目は男女混合のドッジボール。
クラスを2チームにわけ、AB二つのトーナメントで行われる。AとB両トーナメントで優勝したチームにはご褒美がもらえるのだとか。
Aチームに配属されたは柳と同じチームで、参謀が一緒なら勝てる!と意気込んでいた。だが、相手クラスを見て、その思いが改められる。
「へへっ、勝たせてもらいますよ!先輩たち!」
胸をはって仁王立ちする切原に、二人も負けじと口を開く。
「赤也が相手ならなおさら負けられないわね」
「相手にとって不足無しだな」
試合、開始。
序盤はなかなかいい勝負で、同じように内野の数が減っていった。切原はと柳ばかり狙ってくると思ったが、少しは考えているらしい。
だが不意に、にボールが回った。数秒ボールを見つめた後、にこりと笑う。
「ゲ」
嫌な予感がした切原は数歩下がった。それに反して、女子だからと油断したものたちが数歩出る。
「ばっ・・・!」
時はすでに遅し。素晴らしい音を立てて、サッカー部の男子がアウトになった。忘れてはならない。
彼女はあの、神の子幸村精市の双子の姉なのだ。にボールが集まりだし、1年の内野がどんどん減っていく。
そして、あっという間に切原一人になった。
「くっそ〜〜〜〜〜!!」
「ふっふっふー。さ、覚悟しなさい、赤也!」
がボールを手に振りかぶる。手から放たれたボールは一直線に切原に向かって行く。切原は顔を引きつらせた。
が、気合と根性でギリギリのところで避けた。すると外野の2年が油断していたのか、ボールを取りこぼした。
(チャンス!)
内野に転がって来たボールをすぐさま拾い、切原はろくに狙いも付けずに力一杯投げた。
「っらぁ!!」
ボールはのパワーにも負けず劣らずの勢い。が。
「あ」
鈍く、派手な音が響いた。ぐらりとの身体が後ろに傾く。柳が受け止めたため床に倒れはしなかったが、は眉間を真っ赤にしてのびていた。
「あああああうわああああせんぱあああああい!!!」
切原が慌てて駆け寄るも、反応は無い。完全にノックアウト状態だ。
「どどどどうしよう柳先輩!これで先輩記憶喪失とかになったら・・・!」
「・・・0%、とは言えないな」
「・・・!!」
切原はもう、頭で考える事が出来ず、身体が動いていた。
「・・・う・・・」
頭が痛い。いや、正しくは眉間。痛みを堪えながらなんとか目を開けると、白い天井と、黒い頭が視界に入った。
「先輩!気が付いたんっスね!?よかった・・・俺がわかります!?」
「・・・赤也?」
「・・・!あああよかったああああ!!」
はあああと、切原が全身の力を抜く。と、すぐにしゃきっと背筋を伸ばす。
「すんませんっした!!」
「え?」
椅子に座っているにしてもベッドに頭が付きそうなくらい、切原は頭を下げている。
「勢いだったとはいえ、顔面にボールぶつけるなんて・・・!」
「あー・・いいよ。避けられなかった私も悪いし」
「でも、跡とか残ったら・・・!」
「切り傷じゃないし、大丈夫でしょ」
しばらくは赤いだろうけどね、とは口にしないでおく。
「・・・もし!跡が残ったら、俺、責任取ります!!」
「責任って・・・」
大げさな。だがこの子は真剣な目だ。本気で言っているのだろう。
「もし、そうなったら、ね」
「・・・ッ、はいっ!!」
なぜそんなに輝いた顔をしているのかわからないが、元気になったのなら良かったと、も笑うのだった。
ちなみにのクラスは切原のクラスには勝ったが、次で精市のクラスに負け、精市のクラスがAB両優勝を飾ったという。
そして。
「赤也、のおでこに跡が残ったら責任とるんだって?」
「と、とりますよ!!」
「ふふっ・・・楽しみにしてるよ」
結局、キレイさっぱり跡は残らなかった。
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ペアプリ見たらクリケットとかサッカーとかになってるけど・・・気にしない方向で・・・^q^←
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