冷戦触発
と大河、二人が打ち解け笑い合っているとき、第三者の足音が聞こえてきた。
「白石、こんなところにいたのか」
「榊監督。あ、すいません。荷運びの途中やったのに」
「まぁいい。それはそうと、雨宮さんも一緒とはちょうどよかった」
「?なんでしょう?」
話し忘れていたことでもあったのだろうかと大河が首を傾げる。
「今月末からの合宿があるだろう?その時の移動船に、雨宮さんも乗る事になってな」
「そうなんですか?」
「あぁ。榊グループ主催のコンクールが合宿所近くの島であってな。私達を降ろした後、その島へ向かう事になっている」
「なるほど。ほな、当日もよろしゅーな、大河」
「えぇ、こちらこそ」
はにかみ笑い合う二人を、榊は微笑ましく見守っていた。
「私はもう戻るが、白石、作業を中断して雨宮さんを駅まで送って行ってあげなさい」
「えっ」
「わかりました、ほないこか」
「え、いいのに」
「かまへんて。監督もあぁ言うたんやし」
「うむ。行ってよし」
ビシッとおなじみのポーズを決めて歩いて行く榊の背を二人が見送る。
「それじゃ・・・お願いします」
「おん。任しとき!」
二人が歩き出そうとした、その時。
「、どこへいくんだ?」
後ろから声がかかり、が振り向く。反射的に大河も振り向いていた。そして、一度目を見開き、思い切り顔を歪めた。
「あ、景吾。今から大河を駅まで送ってったるねん」
「大河・・・?」
跡部が初めて、の隣にいる大河を見る。見て、こちらも顔を歪めた。
「雨宮大河・・・」
「・・・久しぶりね、跡部景吾」
「え?なんなん?二人知り合いなん?」
きょろきょろと、少し嬉しそうにが二人を見るが、二人は未だ顔を歪めて睨み合っている。
「イギリスにいた頃、ちょっとな」
「へぇ、て、大河もイギリスおったんかー。自分らすごいなぁ」
「・・・それより、早く行きましょ。あんまり遅くなると・・・」
「あ、せやな!ほな景吾、行ってくるわ!」
深くはきかないほうがいいのだろう。跡部の返事を聞かぬままは彼に背を向けて歩き出した。
大河も続けて足を踏み出し、一瞬だけ振り向く。睨み合いが交差したが、大河はすぐにを追った。
跡部は面白くなさそうに二人の背を見つめ、しばらく不機嫌だったという。
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太郎(43)がわかりません←
跡部と大河ちゃんは昔いろいろあり犬猿の仲というか出会うと冷戦触発らしいです。
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