は流浪の旅で、四国に来ていた。ちょうど友・長宗我部元親が四国統一に向けて進軍しているらしく、手を貸すことになった。そこでは、意外な人物と再会した。


「・・・光秀殿?」

「これは・・・殿ではありませんか」


織田家臣であるはずの明智光秀が、そこにいた。事情を聞けば、これも信長の命だという。


(元親に四国を統一させてその上から奪い取る、か?)


なんとなく算段が読める気がするが、おそらく元親もそれは考えているだろう。ならば自分が口出しする事ではないか、とはその件についてはなにも言わなかった。





















陣に行けば、そこにいるはずのない姿があって、は思わず目を瞬かせた。そしてこれもまた無意識に凝視し、頭を抱えている光秀に目を向ける。


「なぜ・・・ガラシャ姫が・・・?」

「・・・密航してきたようで」

「おいおいおい・・・」


簡単に姫の密航をゆるすなよ、と父である光秀と船員たちに言いたい。船員の中に手引きしたものがいないとも言い切れないが。


「ついてきたものは仕方がないので、おとなしくさせておきます」

「嫌じゃ!わらわも父上と共に戦うのじゃ!」

「戦えるのか?」


思わずきいて、しまったと思った。うれしそうに顔を輝かせ、ガラシャが「ほむ!」と頷く。


「合気道と術で戦うのじゃ!」

「腕は?」

「・・・これが、それなりに戦える腕で・・・」

「あぁ・・・」


力ずくでおさえつけることもなかなか厳しいということか、とは娘に甘い父親にあきれの目を向けた。元親の許しは得ているとのことだから、まぁ問題はないだろう。


「そんじゃま、お姫様のご活躍に期待するかね」

「期待するのじゃ!!」


意気込むガラシャに苦笑し、は戦の準備に取りかかった。




















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