海上の攻防戦





















アークエンジェルの進路はアラスカ。そこへたどり着く前に墜とすことが目的だ。宇宙用MSであるXナンバーの5機は、空中での足場確保のためにグールを使用することになった。海上で飛び続けるにはこれが必須なのである。
そしてついに、AAと接触した。5機に囲まれ、AAは次々に被弾していく。しかし最新艦なだけあってなかなか墜とすことができずにいた。


(ストライクは艦上、鷹は飛び回ってて鬱陶しい!)


はスカイグラスパーで飛び回って撹乱するムウを相手にしていた。当然のごとくグールを狙ってくるが、避けたり撃ち落としたりして防いでいる。


「しつ、こい!」


こちらも撃って応戦するが、相手はエンデュミオンの鷹。そう簡単に墜ちてはくれない。


『イザーク!ニコル!』


そこへアスランの声が響いた。どうやら二人ともグールを失い、海へ落とされてしまったようだ。


(拾うか?いや、今はそっちにまで手は・・・)


2機共海へ落ちただけで無事のようだから今は、とAAへ目を向けたとき、機内でブザーが鳴り響いた。


「援軍・・・じゃ、ない、あれは・・・オーブ軍!?」


そうか、ここはオーブ領海のすぐ近く。見かねたオーブ軍が牽制に来たのだ。進路変更の通達がされる。進路を変えて引き上げなければ、撃たれる。どうするアスラン、とはアスランの判断を待っていた。と、その時、オーブではない、AAからの声が響いた。


『この状況でよくそんなことが言えるな!?』

「・・・ッ、カガリ!?」


まさかカガリ、アークエンジェルをオーブへ逃がすつもりなのか。それをされては手が出しにくくなる。
カガリは、行政府へ繋げ、父を、ウズミ・ナラ・アスハを出せとオーブ軍へ訴えかける。


『私は・・・カガリ・ユラ・アスハだ!!』


オーブの首長、ウズミ・ナラ・アスハの一人娘、カガリ・ユラ・アスハ。今回はもう追えないなとはあきらめの息をついたが、まだ諦めてない男がいた。


『ご心配なく!領海になんか入れないさ!』

「ディアッカ!」


領海に入る前に撃ち落とすつもりだ。させてなるものかとムウとキラが応戦し、バスターもグールを撃ち抜かれてしまった。しかし最後のあがきでバズーカを放ち、それがAAのエンジンを破壊した。はバスターを回収し、対峙するイージスとストライク、そしてAAを見る。高度を維持できなくなったAAはオーブ領海へ突入し、オーブ軍の攻撃が始まった。それにより手を出せなくなったザフトは、退かざるおえなくなった。




















退却してオーブから送られてきた発表はなんとも信じがたい、否、信じられるはずのないものだった。


「足つきはすでにオーブから離脱しました、ねぇ。エンジンあれだけ破壊されてどうやって高速離脱できるのよ」


これにはさすがにも呆れた。しかしこれはオーブの正式発表だ。足蹴にして押し切っては、プラントを巻き込む外交問題になりかねない。それに対するアスランの策は、こうだった。


「カーペンタリアから圧力をかけてもらうが・・・すぐに解決しないようなら、潜入する」

「!?」


少々意外な策に、含め四人とも軽く目を瞠った。確かに、オーブにAAがまだいるという証拠をつかめば、オーブもAAを表に出さざるおえなくなる。


「賛成」

「!


驚きの声を上げたのはイザークだった。イザークもディアッカも、そのまま突っ込んでいけばいいと思っているのだろう。しかしイザークは少し思案すると、「OK、従おう」と言った。いつもの嫌味の後に、一言。


「ま、潜入ってのも面白そうだし?案外やつの・・・あのストライクのパイロットの顔を拝めるかも知れないぜ?」

「・・・・・」


思わず目を細める。アスランもわずかに反応したらしかった。





















Created by DreamEditor