ザラ隊始動
パイロットスーツに着替え、タルタロスを乗せた輸送機に乗り込む。ほかのメンバーもそれぞれの機に乗った。少し遅れてしまっているらしいアスランを除いて、4人の輸送機は出発した。
たちがカーペンタリアに着いた頃、アスランとイージスを乗せた輸送機が何者かに墜とされたとの報せが入った。墜ちる直前にアスランはイージスに乗って脱出したとのことだから、生きてはいるだろう。しかし未だ消息は掴めていない。体調不在ということで代わりに指示を仰ぎに行っていたイザークが戻ってきた。
「イザーク、アスランの消息・・・」
「ザラ隊の諸君、さて、はえある我が隊、初任務の内容を伝える」
あぁこのトゲのある言い方、とは呆れた。
「それは、これ以上ないというほど重大な、隊長の捜索である」
「ははははは!」
嫌味たっぷりな言葉のあとにディアッカの笑い声。ニコルは苦い顔をした。
「ま、輸送機がおっこっちまったんじゃしょうがないが、本部もいろいろと忙しいってことでね。自分たちの隊長は自分たちで探せとさ」
「やれやれ、なかなか幸先のいいスタートだねぇ」
「とは言っても、もう陽が落ちる。捜索は明日かな」
「そんな!」
嫌味なふたりにアスランを心から案じるひとり。はといえばとりあえずどっちつかずで見守っていた。「うーん」と唸りながら。
「イージスに乗ってるんだ。おちたって言ったって、そう心配することはないさ」
ディアッカの言葉に「お」とが呟く。なんだかんだで信頼はしているのだろうか。
「大気圏、落ちたってわけじゃないし」
前言撤回、とまでは言わないが、なるほど、大気圏を落ちた本人が言うと説得力がある。
「ま、そういうことだ。今日は宿舎でおやすみ。明日になれば母艦の準備も終わるってことだから、それからだな」
「二人の言い方はトゲがあるし嫌味だらけだけど、暗くなると捜索は難しくなる。一理あるのは確かよ、ニコル」
「・・・はい」
アスランが心配で渋い顔をしていたニコルも、の言葉でやっと頷いた。
朝になり、アスランの捜索が開始された。とニコルのペア、イザークとディアッカのペアで輸送機の飛行経路から推測される不時着地を探していた。しばらく飛んでいると、電波は悪いが救難信号をキャッチした。すぐさまニコルのヘリコプターへ通信を入れる。
「ニコル」
『はい、見つけました!』
「行くわよ!」
発信源に向けてヘリコプターを飛ばす。ほどなく行った無人島に、機体を発見した。が、それはイージスではなかった。
「あれは・・・アークエンジェルの」
機体名はわからないが、小型ジェットのような戦闘機だ。まさか救難信号はこれだったのだろうか。離れたところでしばらく様子を見ていると、海中から何かが頭をだした。白い機体が海上に姿を現す。
「ストライク!」
ではやはりあれはAAの。パイロットはムウは、それともカガリか。思っていると、不意に岩場で金色が揺れた。大きくストライクに向けて手を振る姿は、間違いなくカガリだった。よかった、なんて息をついて、違う違うと首を振る。
(目的はカガリじゃなくてアスランだってば)
心の中で自分にツッコミをいれ、はぁとため息をつく。するとニコルから通信が入った。
『、アスランを発見しました!がいるところの裏側です』
「わかった」
どうやらアスランがいるのもこの島で正解らしい。
「もしかして、出会った?」
いや、島の反対側だし、どうだろうか。考えていても仕方がないので振りはらってハンドルをきる。はニコルたちと合流し、カーペンタリア基地へと帰還した。
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