赤い瞳と出逢った

























サッカー部は打倒帝国学園に燃えている。そんな彼らのサポートを、はしていた。


「あれ?あたしマネージャーじゃないよね?」

「いっそのことマネージャーになっちゃえばいいんじゃない?」


なんで手伝っているんだろうと首を傾げると、秋が笑って言った。は曖昧に「うーん」と返す。捻挫や傷のテーピングや治療は得意だが、サポート面でのマネージャーはあまり向いていないような気もする。


「あ、テーピングもう少ないんだね。買って来るよ」

「ありがとう!お願いするね」


請求は学校でいいんだよねと思いながら、は財布を手に学校を出た。
























スポーツショップでテーピングなどの消耗品を買って学校へ戻る。その帰り道、見慣れない制服を着た少年を見かけた。他校の制服には詳しくないが、どこか遠い所を見つめているような気がする。


「・・・?」


何かあったのだろうか。なんとなく気になりつつ、どのドレッドヘアの彼の後ろを通り過ぎようとしたら、彼がぱっと振り向いた。


「!」


目が、合った。


その赤い瞳に吸い込まれそうで、なぜか、どきんと胸が小さく跳ねた。


「・・・?」


なんだろうか、いまのは。首を小さく傾げると、彼も小さく首を傾げ、去って行った。よくわからないなぁと思いつつ、は学校へと戻った。
























帝国学園との練習試合当日となった。は観戦者として芝生の上に座っている。と、突如地響きがしてきて、何事?と門の方を見た。大きな、それはもう大きなワゴン車が停車して、中から10人くらいの少年達が出てきた。


「あの制服・・・」


ふとは、先日見た他校生を思い出した。まさか彼は、帝国学園の生徒だったのだろうか。それから出てきたのは、サッカーのユニフォームを着た少年達。その先頭には、見覚えのあるシルエット。


「あの子・・・!」


なんだかおかしなゴーグルをつけているが、あのドレッドヘアは間違いない。やはり先日の赤い瞳の少年だ。なぜだが胸がざわついた。

























帝国学園がウォーミングアップを始めた。彼はキャプテンで、ミッドフィルダーらしい。
帝国学園の動きは、半端どころか尋常ではなかった。


「すごい・・・」


さすがは名高い帝国学園と言ったところか。挨拶代りか、帝国キャプテンの彼が円堂に向けてシュートを放ち、帝国のウォーミングアップは終わった。その威力は、凄まじい。


「・・・大丈夫かな、みんな」


信じている、信じたい。だが、帝国の強さは雷門の何倍の上だ。しかも人数は結局集まらなかったらしく、10人しかいない。は無意識に顔の前で手を組んでいた。























そのあと、どういった経緯でかはわからないが目金がサッカー部に入部して、実質11人となった。目金は運動音痴だった記憶が無くもないが。しかも、事もあろうに10番のユニフォームを着ている。なぜ円堂は10番を着せてしまったのだろう。その背番号の意味を知らない円堂ではないだろうに。これで人数はそろった、はずなのだが、壁山がトイレに行ったきり帰って来ない。怖気づいたのは目に見えているのだが、これでは試合が始められない。


「んんん、どうする?あたし入る?5分と持つかわかんないけど」

「そうしたいのはやまやまだけどさ!!」


さすがの円堂も焦っている。だがが入って5分たち、壁山が帰って来なかったら元も子もない。また円堂たちが壁山をさがしにいき、ようやく見つけることができたようだ。ようやく、試合開始となる。



























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