璃代と青華さん
某お宅のお嬢さんと、我が家の青華さん。
一応、一周目…かな?
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向かい合った、昔馴染みの姉のような彼女が青華に向ける表情は渋い。その理由をわかっているからこそ、青華も反論をしようとはしない。
「青華、無理はしてない?」
「姉さまったら、何をいうのかと思えば」
声をあげて笑う青華の顔に、影は無い。
「もう従軍してどれだけ経つと思ってるの?これでも私、平家方にも有名な女将よ」
そういう意味ではないことは分かっていても、青華は笑う。違うことを、気にしているのだと。
「兄様も、ひどい人ね」
許嫁を破棄した相手を、傍に置いておく。お互いに納得したとはいえども、それを青華が素直に受け入れたとはには思えなかった。
「私が納得したのよ、姉さま。嫌だったら、こんなことをしてると思う?」
こんな近い位置にいると思うか、と青華は声を上げて笑った。
自ら選んで刀を握り、その手を血で染めた。嘗ての愛しい相手は、それ以降何もない。……ただそれが、表向きだけのことになっていることは褒められたことではないが。
慣れた気配に、青華が顔を上げる。つられるように室の外へと視線を向けたの目にも、噂の本人が映った。
「すみません、青華を少し借りても構いませんか」
「軍議ですか、軍師殿」
「ちょっとした野暮用ですよ」
書状を見えるようにかざせば、青華が手を伸ばして受け取る。中身を確認すると、苦笑を浮かべて立ち上がる。
「働けってことですか、人使いが荒いんだから」
ちょっと行ってきます、と二人を残して青華は室を後にする。残されたは、弁慶に鋭い視線を向けた。
「兄様、なんで青華を手放したんですか」
「……なぜ、でしょうね」
「そんな他人事みたいに!」
責めるようなの言葉に、弁慶はただ笑うだけ。手放したはずの相手は、今だにすぐ傍に存在している。手を伸ばせば、すぐに届く。そして、受け入れてくれる。
「本気でしたよ、これでも」
今でも、とは決して口には出せない。
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そんなこんなな尻切れトンボ。
ちゃんに関係を気付かれたあとも、きっとふたりは変わらないと思う。
そのうち加筆修正しまーす。覚えてたら←
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