ネコと一緒にひなたぼっこ
暖かな陽が差す昼下がり。松寿丸は縁側でじー――っと何かを見つめていた。
(どこから入ったんだ・・・?いや、こいつが入る隙間くらいいくらでもあるか・・・)
対峙しているのは、一匹の猫だった。松寿丸のあつい視線を気にした様子はなく、のん気に欠伸をしている。
(まぁ、放っておけばよいか・・・)
気にすることをやめたらしい。柱に背を預けて座り込んだ。すると。
「・・・おい」
ちょこん、と松寿丸の腹辺りに飛び乗ってきた猫が首を傾げる。そしてまた欠伸をすると、ころんと寝転がってしまった。
そのまま規則正しい呼吸が流れる。
「・・・み、身動きが取れない・・・」
陽は暖かく、確かに昼寝日和ではあるが。
松寿丸はしばらく自分の腹の上の猫を見つめていた。
通りがかっただけ、ならば素通りできたのだろうが、あいにく目的の人物は彼なわけで。はこの状況をどうしようかと悩んだ。
柱に背を預けて座って寝ている松寿丸と、その腹の上で眠る猫。滅多に見れる光景ではない。
(起こすのかわいそうだよね・・・)
が松寿丸のすぐ横にしゃがんでも、どちらも起きる気配はない。
じーっと眺めているともなんだか眠くなってきて、松寿丸が背にしている柱に体を預けていた。
「真暁、あれを見てみろ」
「なんでございましょう?・・・おや」
何とも微笑ましい光景に、父2人は彼らが起きるまで眺めていたという。
―――――
choice 201〜300
Created by DreamEditor